【肯定話法】
(下位者が上位者に又は同僚の間で自由に話し合いが出来るために)
下位者から意見がでない。上位者と下位者のコミュニケーションがとれていない。「さん付呼称」にすれば下位者が上位者に気兼ねなく話すことができる。等々、話が出ているみたいです。
「さん付呼称」は、前の会社で経験済ですが成熟した組織ならば兎も角、未成熟な組織では混乱を招きます。「さん付け呼称」を実施しても、役員は役員、部長は部長、課長は課長、の意識は変わらないと考えます。「さん付呼称」にするならば、前提として役職を返上、同じ土俵に上がらない限り自由闊達な意見の交換はできません。人の意識形態は不可能と言われるほど変わることはありません。変わることのできるのは行動形態の分野です。態度姿勢をもって変えていくしか方法はありません。
上位者が如何に話し易い場を作るか、話を聞く度量をどれだけ持ち合わせているか。要は、下位者の問題ではなく、上位者の問題であると上位者が認識しない限りテクニックだけでは解決は出来ない問題です。
コミュニケーションとは、相互受容,相互理解の関係です。送り手が受け手に情報や意思を伝達し、相手に理解してもらい行動を起してもらえることを言います。
職場では、仕事を通しての送り手と受け手であり、人と人との関係は、仕事を通しての付き合いです。「この件、この仕事に関してであり、あの人の言ったこの件、この仕事ではありません」。
それぞれの考え方、生い立ちの違う人の集まりです。別な側面からみているあなたも正しいと認める度量が必要です。
また、60%の可能性(曰く・松下幸之助)があれば、受け入れましょう。100%を期待して臨む話し合いは否定につながります。60%を100%にもっていくのは管理者であるあなたの役割です。
肯定話法(小生の造語)とは、相手の話に対し否定から入らず、ことの善悪、正否、己の知りえた知識、己の信念と異なっていても否定から入らず、まず、肯定から入り相手を認める話し方です。
私なりに肯定する言葉を羅列します。あなたも考えてみて下さい。そして実行してみて下さい。
必ずや相互受容、相互理解の関係になれると思います。
「私の考えと同じですよ○○さん」~私と同じでなくても
「さすが○○さん」~さすがと思わなくても
「いい話を聞かせてもらいましたよ○○さん」~既に自分が知っている内容でも
「勉強になりますよ○○さん」~例え勉強にならなくても
「一流企業の人にも通じますよ○○さん」~勿論通じなくても
「情報が早いですね○○さん」~決して新しく無くても
「業界でも立派に通じますよ○○さん」~業界で通じなくても
「その方法を私にも教えて下さい○○さん」~その方法をおのれが熟知していても
「それは正解ですよ○○さん」~正解でなくても
「教科書並みですよ○○さん」~教科書にのるほどのことではないにしても
「初めて聞きますよ○○さん」~2度目であろうが3度目であろうが
「人の扱いが上手いですね○○さん」~扱いが下手でも
「完璧ですよ○○さん」~完璧でなくても(60%=完璧)
「なるほど○○さん」~なるほどなと思わなくても